OmegaLand は、ダイナミックシミュレータを用いてプラント運転のいろいろな場面に応用できる統合環境です。

プロセス解析・検討
化学プロセス教育
運転訓練
制御支援
運転支援・運転最適化

プロセス解析・検討

プロセスシミュレータは、従来からスタティックシミュレータがプロセスの解析、設計に活用されてきましたが、ダイナミックシミュレータはプラント運転に関わる解析、検討に使われています。 稼働している実プラントの運転では安全性の点や外乱を排除する考え方から実施が難しい問題や、まだ存在しないプラントの運転を予測する問題に、仮想のプラントを構築してその上で様々な検討や確認が行われます。

  • 新設プラントのスタートアップやシャットダウンの操作手順を作成、検証する
  • プラントの改造時に、事前にプラントの制約や能力を確認する
  • プラントの異常発生時の機器能力を確認する(安全弁の容量や応答速度やバッファタンク容量など)
  • フィード組成変更、運転ロード変更、機器切替などの運転条件変更時の事前確認をする
  • 制御方式の変更や制御パラメータ変更を事前に評価する

などを実運転に近い環境で行うことが可能です。

プロセス解析・検討では、Visual Modeler 単体で、あるいは グラフィック画面なども利用可能な OmegaLand/Trainer の環境が適しています。 また、OmegaLand はそのデータ交換のインタフェースが公開されており、たとえば Excel でわずかなマクロ(VBA)を記述することで、シミュレーションのデータを取り出したり、与えたりすることができます。 シミュレーション結果をリアルタイムで取り出して加工することも容易です。

化学プロセス教育

ダイナミックシミュレータを化学工学の教育に応用したシステムが教育シミュレータです。 プラントの原理・原則の習得や単位操作の体得をするうえで、座学だけでは十分な教育を行うことが難しい点を体験的な学習をすることにより、解析力と対応力を備えた運転員あるいはエンジニアを育成することができます。

教育シミュレータの目的は

  • プロセス工学の原理原則を学ぶ
  • 各機器・単位操作の動作原理・性能を理解し適切な操作を体得する
  • 制御操作とプロセスの動きを理解して、制御動作の基本を学習する
  • プロセスオペレーションに必要な知識を習得する

などがあげられます。

これらの目的を効率よく達成するためにシミュレータを使用した学習環境を用意し、受講者が主人公となって参加しながら効率的に学ぶことができます。

教育シミュレータ画面例

弊社では教育シミュレータの具体的なアプリケーションをOmegaLand/Educatorという製品名で提供しています。

運転訓練

仮想プラントとしての主要な応用にプラントの運転訓練があります。 仮想プラントを相手に運転員が訓練をするわけですが、実プラントと違和感のない状態を作り出すためにシミュレータにはリアルタイム性と高い精度が要求されます。 Visual Modeler はこの相反する条件を満たす数少ないダイナミックシミュレータです。

運転訓練シミュレータ

制御支援

近年、プラントの運転および制御の高度化に伴い、従来のDCS単独の制御システムに加えて、多変数モデル予測制御やニューロを用いた予測制御などの高度制御パッケージや、スタートアップやシャットダウン、銘柄切り替えなどの運転手順を登録して運転の自動化をはかる運転支援パッケージなど、DCSの上位システムと連携したより高度なプラント運転システムが求められています。 このような制御支援パッケージを実プラントに適用する前に、仮想プラントである OmegaLand と接続することで、事前に検討することができます。 これらパッケージで作成された制御ロジックや運転操作がプロセスに与える影響をシミュレーションによりダイナミックに確認できるため、プロセスの改造に伴う制御ロジックの変更や、運転効率化のための複雑な運転手順を作成するような場合には、その検討手段として特に有効です。

制御支援シュミレータ構成例

※制御支援パッケージとして横河電機(株)製 Exapilot を、DCSとして同じく CENTUM VP を使用

DCSエミュレーションタイプ

制御支援パッケージと標準化されたインタフェースである OPC(OLE for Process Control )で直接接続したケースです。 OmegaLand 側に OPCサーバを用意し、制御支援パッケージは OPCクライアントとして接続します。 DCSの代わりに Visual Modeler に制御モデルを作成して模擬します。

制御支援シミュレータ構成例(1) DCSエミュレーションタイプ

実機DCS接続タイプ

実機DCSに接続する使い方で、DCSに用意されたOPCサーバに対して OmegaLand や制御支援パッケージはOPCクライアントとして接続します。なお、制御モデルは実機DCSを使用します。

制御支援シミュレータ構成例(2) 実機DCS接続タイプ

適用事例

ポリエチレン気相重合反応プロセスと運転支援パッケージExapilotを接続した 制御支援シミュレータ

OmegaLand 上に Visual Modeler を用いて典型的なポリエチレン気相重合反応プロセスを構築し、Exapilot からポリマーの銘柄変更を行う操作の信号を送ります。銘柄変更を行う場合、ポリマーの流動性を表すメルトインデックスを調節するための分子量の調節やポリマー密度の調節が必要となります。 本シミュレータでは、分子量調節のための水素流量の調節およびポリマー密度調節のためのコモノマー流量の調節を実行するロジックを Exapilot で作成し、銘柄変更操作の自動化を行うことができます。 このパッケージを実プラントに適用する前に、OmegaLand でそのシーケンスの十分なる調整を行うことができました。

運転支援・運転最適化

実プラントのデータを取り込んで仮想プラントに同期させ、つぎのような運転支援、運転最適化、予防診断に応用できます。

  • プラントで測定されていない箇所の状態量を知る
  • 実時間に先行して高速なシミュレーションを行ってこの先の運転の予測をたてる
  • 今のプラント状態をもとに生産量をスペックして運転条件を求める
  • 使用エネルギーを最適にするような運転条件を求める
  • 機器の故障やプラント異常を察知する

ミラープラント