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第7回 OmegaLand ユーザー会 開催報告

2017年11月8日、第7回OmegaLandユーザー会を開催いたしました。

本ユーザー会では、今回のテーマのキーワードでもあります“つなぐ”をもとに、弊社のコア技術でもあるモデリング技術やシミュレーション技術をご活用いただいているユーザー様の事例を中心にご紹介いただきました。さらに、弊社からはOmegaLandの新バージョンV3.1のご紹介や最新情報をあわせてご提供させていただきました。


■ 講演内容

  [招待講演] 九州大学 大学院 化学工学部門 化学システム工学専攻 教授 柘植 義文 様
「化学プラントの運転管理に関連した研究におけるダイナミックシミュレータの活用」
  化学プラントの運転管理において、状態監視、異常の検知・診断、オペレータの支援等に関連する研究を行ってきた。それらの研究の中で、ダイナミックシミュレータ(Visual Modeler)をどのように活用してきたかの取り組みを紹介する。

  国際石油開発帝石株式会社 国際エネルギー事業本部 直江津LNG基地  井上 正喜 様
「直江津LNG基地におけるOTSの活用事例」
  LNG基地のオペレーション経験が無い当社において、直江津LNG基地の運開前に運転トレーニングを行うべく、基地建設中にOTSを構築した。今回は、当基地特有の設備であるバックアップ盤(シングルループ計器が取り付けられた盤で、主制御装置のFail時に切替わり監視・制御・操作が行える装置)の再現を含むシステム構成を紹介すると共に、現在に至るまでの訓練・検証の実績について紹介する。

  三井化学株式会社 生産・技術本部 エンジニアリングセンター  大寳 茂樹 様
「VM-EQUATRANを用いた用役プラントのリアルタイム最適化運転の事例紹介」
  コンビナートに於ける用役プラントは製造プラントの操業に合わせて蒸気&電力等を 確実に供給する工場にはなくてはならない部署である。
蒸気を発生させるボイラーは工場内で副生される安価な燃料や外部より購入する高価な燃料を用いた複数の運転手法があり、電力は蒸気タービンで発電しているが全てを賄えないので一部は電力会社より購入している。従来これらの単価を考慮してコストミニマムな運転方法を導くことが困難であったが、数値解法ソフトEQUATRANにて工場全体の蒸気・電力系統の大規模連立方程式を用いた最適計算ソースコードを作成した。
現在はVM-EQUATRANにてPIMSに蓄積された最新プラント運転値を用いてリアルタイムで毎分最適計算を実行する仕組みを構築・運用している。

  東京ガス株式会社 日立LNG基地 操業部  伊藤 拓 様
「ミラープラント活用事例紹介」
  2016年3月に操業を開始した東京ガス日立LNG基地では、オペレータの運転支援を目的としてLNG版ミラープラント(プラント内部状態可視化、定期過渡状態予測、アラーム発生予測等の機能実現)を導入した。本発表では、1年半の運用を通して得られた知見について紹介するとともに、将来のさらなる有効活用の展望について説明する。

  [招待講演] 千代田化工建設株式会社 AIソリューションユニット  井川 玄 様
「AI・Big Data技術導入によるプラントの最適な運転および保全管理を目指して」
  これまで稼働中プラントの効率的なオペレーション要求や、振動や腐食などのトラブルに対しては、高度なエンジニアリング技術を用いての診断・検討が行われてきた。これらの技術に最新のAI・Big Data技術を新たに加えることで、従来の技術では見えなかった相関関係を新たに発見可能となり、様々な「予測」が可能になってきた。更に、AIとプラントシミュレータによる深層学習を行う事により、AIが最適運転パラメータを提示することが可能になってきており、今後多方面での応用が期待される。

  [最新製品のご紹介] 株式会社オメガシミュレーション 事業本部 営業部  石川 真紀夫
「OmegaLand V3.1とこれからの展望」
  今年2月にリリースした、統合ダイナミックシミュレーション環境OmegaLand の最新バージョンである「OmegaLand V3.1」の主な機能をご紹介するとともに、現在から将来にかけてユーザー会のコンセプトでもある仮想世界と様々なものを「つなぐ」ことで、さらに広がるシミュレーション技術の展望をご紹介